佐藤多佳子『しゃべれどもしゃべれども』

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

映画も観た。
落語家の三つ葉のもとに集まった自信のない人たちが、ちょっとずつ元気になっていく話。うまくいかないことがあるのは三つ葉も一緒で、お互いに教えあっていく。自信のない人に「自信をもって」っていうのはすごく無責任で意味のないことで、何かのきっかけで誰かに評価されるためでなくて好きなようにやればいいんだってことがわかるときが本当に自信をもてるときなんじゃないかな。
文章が落語を意識してるのか、テンポがよくて気持ちよかった。
映画は、ちょっと登場人物のバックグラウンドが足りないし、何より良がいないのが残念。小説と比べちゃだめだけど、良は重要な登場人物だと思うんだけどな…。だいたい、私が泣きそうになった場面が良がいないことで削られてるじゃないか。でも全体的にいい映画だった。