リリー・フランキー『東京タワー』

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

先のことを考えてたらなんとなく衝動買いしてしまった。
泣いた泣いた。いくつも心にくる言葉があった。
「完全でなければ、すべては偽者だ。永遠でなければ、すべてが幻覚だ。しかし、永遠たるものが、この世にはひとつもない。」
「オトンの人生は大きく見えるけど、オカンの人生は十八のボクから見ても、小さく見えてしまう。それは、ボクに自分の人生を切り分けてくれたからなのだ。」
「あなたの好きなことをしなさい。でも。これからが大変なのだ、と言った。」
「何かを手にした人にこそ、退屈と怯えは肩を並べてくるものだ。」
「色彩を求めて、無限の色を追いかけて、そのすべてのものをパレットで混ぜあった人は、いつか筆洗器の中の水に沈む。手にしたはずの金色も、目映いばかりの薔薇色も、今はどこに溶けたのかもわからない。ただグレーの中。グレーの樹海をぐるぐる回り続けるのだ。」
ちょっとパラパラ見て取り出しただけだけど。
親への愛が一気に描かれたものでした。たまらなくなります。
自分の先のこともあわせて考えさせられた。