アンソロジー『I LOVE YOU』

I love you

I love you

伊坂幸太郎『透明ポーラーベア』
やっぱり◎!!遠恋になる前の不安な気持ちと「大丈夫」って思う気持ちが交差するところ、3年前を思い出して切なくなった。人とのかかわりなんてもろくて弱い。いつまで続くのなんてわからない。でも、「愛するとは、お互いに見つめ合うことではなくて、同じ方向を見つめることである」(サン・テグジュペリ『人間の土地』)。これは『人間の土地』を再読せねば。人生に答えなんてない。それでも自分の中で答えは出せる。優しい文章でちょっと元気になれる。

石田衣良『魔法のボタン』
だめ。やっぱり石田衣良は好きじゃない。気持ち悪い。吐き気を催す。
登場人物の台詞、行動、しぐさ、服装のセンス(男も女も)、すべて癇に障る。べたべた。ねちょねちょ。うがー!!だいたい、「魔法のボタン」の設定がいやだ。失恋した男が「昔から近くにいました」みたいな女とくっつくベタなのもいやだ。それから25の女がデートで全身ジャージでくるなんてただのバカ。やりすぎ。 まあ、純粋な女の子はすきなのかもね、こーゆーの。ひねくれものの私には無理だわ。

■市川拓司『卒業写真』
うーん。普通。

中田永一『百瀬、こっちを向いて』
なぜか電車の中で泣きそうになった。感情移入しすぎて。自分にひどく自信のない主人公が恋を知る。自信がなくて真っ暗な中で一人だったのが、恋を知って明るくてあったかいところを知ってしまい、それが逆にしんどくてつらくて真っ暗な安定に戻りたがるときが切ない。それから、百瀬の気持ちも。なんでもないように振舞うときの気持ちも。

中村航『突き抜けろ』
やっぱり好きだなー、中村航。木戸さんかっこいいな。石田衣良の主人公とは大違いだw最後の電話しなきゃってところがすごくいい。ミスチルの『くつひも』が私の頭の中で浮かんだw

本多孝好『Sidewalk Talk
うにゃー。これ一番か二番によかったな。伊坂と同じくらいよかった。離婚する二人。ポイントは香水!うはー。においってほんと記憶に残る。些細なことの積み重ねでもろく崩れそうな人間関係だけど、些細なことで復活もするのかもね。◎でした!!